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小田野 直光; 石田 紀久
JAERI-Research 2001-004, 36 Pages, 2001/03
熱出力750kWの超小型原子炉DRX (Deep Sea Reactor X)は、深海科学調査船の動力源として用いられる一体型加圧炉である。DRXの炉心設計として、原子炉負荷率30%を仮定した場合に燃料無交換で4年間の炉心寿命を達成する炉心の核的検討を行った。燃料のU濃縮度、反射体材質について検討し、8.3wt%の濃縮度で設計条件を満足できる炉心仕様を得た。特に、超小型炉においては中性子の漏れが大きくなるので、反射体の設計は濃縮度とともに炉心寿命を左右する重要な因子である。本設計では、反射体材質としてBe金属を使用することにした。また、燃料棒配列については、正方配列と三角配列の検討を行い、制御棒駆動装置の構造の観点から前者を採用した。また、種々の核的安全性にかかわるパラメータについて確認を行うとともに、反応度係数、出力分布等の核特性を評価し、設計条件を十分満足するものであることを明らかにした。
山本 忠利; 清水 徳; 小澤 皓雄; 美留町 厚; 千崎 年彦; 片桐 政樹
JAERI-Research 99-032, 59 Pages, 1999/04
深海海底に存在する人工放射性物質から放出される放射線を計測することを目的として、深海放射能測定システムとして従来のNaI検出器と同様に使用できるように耐圧容器に収納した型の小型電気冷却式Ge検出器を製作した。そして水中における冷却試験及びエネルギー分解能測定試験を行い、Ge検出器を液体窒素温度まで約5.8時間で冷却でき、Co1.33MeVのピークに対して2.66keVのエネルギー分解能を有することが確認できた。さらに、海洋科学技術センター所有の無人探査機ドルフィン3Kへの接続を行った後の海水中における放射能測定試験を行い、海底における天然放射性物質からの放射線を計測できることを確認した。
大坪 章
PNC TN9410 98-059, 53 Pages, 1998/06
動燃では宇宙・地上・深海高速炉システムの定常解析コードとしてSTEDFAST(Space, TErrestrial and Deep sea FAST reactor system)を開発している。これは、深海, 宇宙及び地上でのコジェネレーション用の動力源として用いるガスタービン発電方式高速炉システムにつき、システムパラメータの最適値を得るためのものである。今回は本解析コードを使用してパラメータサーベイ計算を行って可搬型炉特性につき研究することとした。深海炉については、40kWeのNaK冷却型の炉をベースケースとして種々の変数を変化させて計算した。深海炉では設計上重要な要素である機器重量合計と廃熱のための耐圧殻上の必要表面積に着目した。前者については発電量及び耐圧殻材料が、後者については発電量、原子炉出入口温度、海水自然循環熱伝達係数等が特に影響の大きい変数であった。宇宙炉については、40kWeのNaK冷却型の炉をベースケースとして、コンプレッサ入口温度、原子炉出入口温度、タービン入口圧力を変化させて計算した。宇宙炉の重要特性である機器重量合計には、前2者の影響が大きかった。地上炉についてはPb冷却の熱出力100MWtの炉をベースケースとして、コジェネレーション用の100の熱水を製造する熱交換器の伝熱管本数、コンプレッサ段数、1次系冷却材の種類を変化させて計算した。1次系冷却材をPbとNaの場合の比較では、密度がかなり異なるので当然のことであるが、1次系重量流量に関しては前者の場合後者の場合よりもずっと大きくなった。その他については、特筆するほどの大きな特性の変化は無かった。
大坪 章; 小綿 泰樹
PNC TN9420 97-006, 70 Pages, 1997/09
動燃では色々な型の新型高速炉の研究をしてきた。その中で深海高速炉はわが国の海洋/気象/海底油田/地震等の専門家からの開発研究に対する期待が大きく、また開発に要する予算も小さく、開発課題も殆ど無く、最も実現性の高いものである。本報告書では開発目標とする40kWe及び200-400kWeの深海高速炉の概要について説明するとともに、その利用法について調査検討をした。深海高速炉は海洋では、長期気候予測及び地球科学研究用無人海底基地、深海底油田基地等での電源としての利用がある。一方陸上においても、極地での研究施設の暖房と電力供給が考えられる。またより将来は、宇宙での利用も考えられる。現在、大型高速増殖炉開発計画は順調に進まず、実用化時期がかなり遠のいた状態にある。深海高速炉を一刻も早く実用化し、高速炉技術を現代社会にしっかりと植えつけることが、現時点で最も大切なことであると筆者は考える。
文沢 元雄; 稲葉 良知; 菱田 誠; 小川 益郎; 小坂 伸一*
JAERI-Tech 96-022, 82 Pages, 1996/06
本報告では、環境への二酸化炭素排出量の多い火力発電所の燃焼ガスを対象とし、核熱を利用して二酸化炭素を分離・回収する技術、回収した二酸化炭素を処分、再利用するプロセスの検討を行った。選定された再利用製品であるメタノール、尿素、エチレン及びガソリンを製造するプロセスのうち、需要面からガソリンのプロセスが有望と判明した。そこで、改良したエチレンプロセスとARCOプロセスの結合によりガソリンを製造する新プロセスを提案し、その実現の可能性を論じた。
大坪 章
PNC TN9410 96-070, 52 Pages, 1996/05
可搬型深海炉の仮想的な炉心浸水事故時に,熱中性子化した状態における未臨界性の確保を確認するため,炉心特性計算を実施した。解析対象の事故条件は,次のように設定いた。まず(1)深海で耐圧殻からの海水漏洩事故が発生し,次に(2)安全棒及び制御棒が挿入されて炉は停止する。その後(3)一次系の境界が何らかの原因で破損し,炉心内に海水が侵入する。炉心としては,プルトニウム富化度50%,ウラン濃縮度20%の酸化物燃料を用いた炉心及び,宇宙炉SP-100と同じウラン濃縮度97%の窒化物燃料を用いた炉心の2種類とした。この他に燃料ピン間のスペーサの有無の影響を検討対象とした。解析計算は主にMCNPコードを用いて行った。計算の結果,炉心内の海水量が多いスペーサの有の場合でも,燃料ピン内に熱中性子吸収特性に優れているレニウムのライナを挿入することで,炉心浸水事故時の未臨界性が確保されることが分かった。必要なレニウムライナ厚さは,酸化物燃料の場合0.15mm,窒化物燃料の場合0.27mmとなった。
大坪 章
PNC TN9410 95-030, 40 Pages, 1995/04
深海炉は、米国のSNAP宇宙炉研究及び密閉ブレイトンサイクル開発という既存技術を利用し、且つ仏国ERATO宇宙炉設計研究を参考にしつつ、耐圧殻を冷却器の伝熱板として用いるという今までにない新概念を導入して、設計概念を構築したものである。既にこの深海炉の技術的成立性について検討した数多くの動燃報告書を作成したが、これらの報告書で検討されなかった詳細な項目に関してこの度検討を行ったものである。具体的な検討項目は次の通りである。Na水反応時のNaOH、24Na放射化、耐圧殻熱応力、遮蔽材材料、耐圧殻漏水確率予想、損傷深海炉の回収。既発行の報告書の検討に加えて本報告書の詳細検討によって、筆者は深海炉の技術的成立性は確証されたと考える。
大坪 章; 関口 信忠
PNC TN9520 95-002, 66 Pages, 1995/02
本解析コードSTEDFAST(Space,TErrestrial and Deep sea FAST reactor・gas tubine system)は、深海、宇宙及び地上でのコジェネレーション用の動力源として用いるガスタービン発電方式高速炉システムにつき、システムパラメータの最適値を得るためのものである。本解析コードの特徴は次の通りである。・対象とする高速炉システムは深海炉、宇宙炉、及び地上炉である。・作動流体としては1次系でNak,Na,Pb,Hg,Liを2次系でHeとXeの混合ガス(混合比は任意)を扱うことができ適用範囲が広い。・システムに含まれる機器のモデル化については、将来の詳細化が容易なるように、また過渡解析コード作成が容易なように配慮されている。・プログラム言語はMAC-FORTRANで、パソコンにより容易に計算可能である。本解析コードの作成により、システムに含まれる密閉ブレイトンサイクルの状態値が直ちに計算可能となると共に、サイクル熱効率に係わる数多くのパラメータの影響の把握及び最適化計算が可能となった。今後各種機器のモデルをより詳細化するとともに、更に将来においては、本解析コードをベースとして、過渡解析コードを作成する予定である。
大坪 章
PNC TN9000 94-006, 60 Pages, 1994/07
深海底無人基地での利用を主な目的とした深海炉を開発する際の、目標とすべき深海炉主要目につき検討し、次のように設定した。熱出力 190kWt、燃料 混合窒化物燃料、被覆管 ハステロイN、構造材 SUS316相当、冷却材 NaK、炉心高さ及び直径 各約25cm、炉容器出口/入口温度 605/505度C、運転期間 10年。 深海炉を研究する際に検討すべき項目に関して以下のような考察を行った。 深海底無人基地への陸上あるいは船上からの送電については次のようである。1・陸上からの送電方式については水深1,000m、距離100km が限度である。2・船上からの送電は、海が平穏な期間のみ可能である。したがって、水深数千mの深海底無人基地の電源としては、これらの方式は採用され得ない。深海炉システムの信頼性については、密閉プレイトンサイクルの部分のみに関して信頼性解析をしたが、20kWeの電気出力で4年間の連続運転の場合の成功確率は0.999942となった。安全性については深海炉システムに内蔵される放射能量で評価した。すなわち、その結果、10年間連続運転した時に深海炉に含まれる放射能量は、かつて1962年から1982年に北大西洋に投棄された放射能量の約1/50,000という少ない値であることが明らかになった。NaK冷却炉の開発実績では、約30年前に米国の米国宇宙炉研究でSNAP-10A用の地上試験炉FS-3は炉容器出口温度が約527度C以上で約400日運転されたが、原子炉にも燃料にも何も異常が無かったと報告されている。
飯田 浩正; 石坂 雄一*; Y-C.Kim*; 山口 兆一*
Nuclear Technology, 107, p.38 - 48, 1994/07
被引用回数:10 パーセンタイル:66.29(Nuclear Science & Technology)DRXは原子力エネルギーの特殊性を活かして海中動力源として使う小さな原子炉である。近未来の適用としては、深海科学調査船用動力源が考えられる。その為に150kW電気出力の設計を実施した。それは、原子炉容器に蒸気発生器を内蔵する一体型PWRであり、耐圧かく内に原子炉容器、タービン、発電機をも内蔵したコンパクトな発電プラントである。運転操作の容易性と高度の受動的安全性を兼ね備えている。負荷追従、起動、事故を含む過渡解析を実施し、要求仕様を満足する固有の特性を有することを確認した。
大坪 章; 寺田 正文
PNC TN9410 94-093, 52 Pages, 1994/05
数百気圧の高圧下で使用される深海炉について、耐圧殻海水漏洩事故を仮想し、この時更に深海炉システムの一部であるベローズ式アッキュムレータが破断すると想定して、高圧下に於けるナトリウム-水反応の解析を行った。解析にはナトリウム-水反応解析コードSWACS/REG4を用いた。解析計算の基準ケースとしては、約1秒間で上記アッキュムレータが破断するという想定と、SWACS/REG4コードで今まで行ってきた高速増殖炉の熱交換器の伝熱管破損解析との対応から、今回の解析では水リーク率を0.128kg/sとして計算した。計算結果ではナトリウム-水反応の発生しているアッキュムレータ中の破断点と、原子炉容器の間にある口径2cm長さ1.5mの細い長い配管内で圧力波は減衰して、原子炉容器上部プレナム内には大きな圧力波は伝播しないことが分かった。解析では基準ケース以外に、圧力、水リーク率、及び耐圧殻内に残るガス空間の体積をパラメータとしたサーベイ計算も実施した。
大坪 章; 羽賀 一男; 片岡 一
PNC TN9000 93-007, 68 Pages, 1993/10
昭和63年7月にフロンティア新原子動力研究グループが設立されてから、FBR開発の新たな展開を求めて活動を行っている。現在までの活動結果に基づいて検討を行った結果、技術的実現性及び社会的要求から可搬型高速炉の開発が、動燃の将来計画として好ましいという結論に達した。この可搬型炉は深海及び宇宙用に用いるものである。本報告書では、この可搬型高速炉の開発スケジュールを立てるとともに、開発項目及び内容について検討を行った。本開発スケジュールでは、現在より約15年後に10-40kWeのNaK冷却の地上試験炉を建設することを中心にしている。この試験炉はまず深海炉研究を行った後に、一部システムの改造を行い宇宙炉研究をおこなうためのものである。この開発スケジュールに基づき、現時点から地上試験炉を建設して深海炉研究を終了するまでの今後約20年間の、予算及び人員計画を立てた。この間必要な予算は総額約150億円、必要な技術者は約20名ということになった。このような可搬型高速炉の開発研究のためには、窒化物燃料、無人運転、高温材料等の技術開発を行うことになるが、これらの技術開発は動燃が行っているFBR実用化路線を大いに促進するものである。
大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 92-095, 84 Pages, 1992/03
〔目的〕来世紀に実現が期待されている海底設置有人基地について、その動力源並びに基地周辺で有用海洋生物の飼育に使用する熱源としての、それぞれの高速炉システムのイメージを構築する。〔方法〕現在までに明らかになっている海洋データに基づいて、これまで研究の行われている超小型炉用ブレイトンサイクルシステムを参考にしつつ、以下の高速炉システムの概念を検討した。動力源(約400kWe):(1)ナトリウム冷却型高速炉システム(2)リチウム冷却型高速炉システム熱源(2,235kWt)(3)ナトリウム冷却型高速炉システム〔結果〕上記各システムにつき、直径3.5mの2ないし3連球の耐圧殻中に、原子炉、一次系及び二次系を設置したシステムの構築が出来た。この結果、検討した高速炉システムは深海有人基地用としての技術的成立性は高いものと判断した。
大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 92-050, 71 Pages, 1992/02
宇宙開発用の小型液体金属冷却型原子炉の概念を,最大潜水深度10,924mおよび8,000mの潜水調査船に適用する検討を進めた。本システムの一次冷却材はNaKで,原子炉容器出口温度は680と550の2ケースとした。二次系にはHe‐Xeガスを作動流体とした密閉ブレイトンサイクルを用いた。出力は20kWeである。NaKの原子炉容器出口温度について熱流力解析を行い,熱効率,交換熱量,ガスならびにNaKの流量・温度を求めた。これに基づいてそれぞれの機器の概略寸法を定め,本システムの構成概念を明らかにし,ついでこれを搭載した潜水調査船についてそのイメージ図を作成した。
大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 91-305, 20 Pages, 1991/09
1991年5月に纏めた動燃報告書PNC ZN9410 91-176"深海調査用高速炉システムの重量検討"の追加計算を行った。上記報告書では、無人基地用動力源(水深8020mを想定、10kWe)及び1万m級潜水調査船用動力源(20kWe)について、高速炉システムの耐圧殻込みの重量を試算した。本報告書ではその後得られた知識を用いて追加計算を行った。追加計算の主な内容は次の通りである。1.水深を固定せずに変数として、重量と水深の関係式を求めた。2.この動力源を深海調査用に用いるときは、海水中での重量を0とするため浮力材を取りつける事になるが、この浮力材についても重量を求めた。3.上記報告書では、無人基地用動力源(10kWe)の発電方式を、1.3kWeの密閉ブレイントンサイクル8台使用するとしたが、本報告書では5kWeものもを2台使用するように変更した。追加計算の結果では、水深1万mの場合浮力材込みの総重量は、10kWeのときは約13.6トン、20kWeのときは約13.9トンとなった。
関 晋; 伊藤 彰彦; 天野 恕
Nucl.Chem.Waste Manage., 1(2), p.129 - 138, 1980/00
海洋処分に備えた放射性廃棄物の安全評価に関して、深海中のパッケージの健全性は、検討すべき最も重要な項目の一つである。上記の観点から実大(200l)の放射性廃棄物固化体の高水圧浸出試験装置を用いて、深海5,000mの高水圧、低温条件の下で健全性模擬試験を行った。主な結果は次のとおりである。 1)高水圧が露出面をもつ固化体に急激に加えられた場合、固化体に数多くのクラックが発生する。 2)クラックは固化体への急激な高圧水の浸入によって起るものと結論した。 3)固化体の露出面に耐水性の塗料を塗布すれば、クラックの発生を防止することができる。 4)容器は、クラックを防止するため重要な役割を果たしていることが分った。 海洋で深さ5,000mまで、セメント固化体の健全性実証試験結果から、コンテインメントの効果は、保持できた。
伊藤 彰彦; 大内 康喜; 比佐 勇; 関 晋; 服部 洋司良; 高橋 孝三; 進士 義正; 背戸 義郎*; 神保 正春*
JAERI-M 8525, 64 Pages, 1979/11
模擬放射性廃棄物を封入した多重構造パッケージ-B-I型、B-III型、、LD-75型-の水深約4,300mの海底への自由落下による健全性試験を四国沖350kmの太平洋において実施した。自由落下試験に際しては、ブイの下方に深海カメラ、フラッシュ、切り離し装置を吊り、さらに切離し装置の下方に廃棄物パッケージを連結して海中を落下させ、落下中および着底後しばらくパッケージの写真を撮影した。深海カメラ、フラッシュ等は、切離し装置の作動によってパッケージから切離され、ブイの浮力により海面へ浮上するので、これを回収した。深海カメラ、フラッシュ等の回収には全て成功した。B-III型パッケージの試験ではフラッシュが作動せず撮影は不成功に終ったが、B-I型、LD-75型では写真からパッケージの健全性は保持されたと判定した。
関 晋; 大内 康喜; 比佐 勇; 伊藤 彰彦; 森下 悟; 丸山 亨; 倉品 昭二*; 下田 喜内*
JAERI-M 7780, 41 Pages, 1978/07
D-50多重構造パッケージおよびM級ドラム缶づめセメント均一固化体(模擬廃棄物パッケージ)について、海洋における水深5000mまでの吊下ろし-回収試験を行なった。得られた結果は次のとおりである。1)模擬廃棄物の吊下ろし一回収試験について所期の計画を達成した。2)D-50バッケージの深海中の連続写貢撮影は成功し、鮮明な写真が得られた。3)回収したD-50パッケージについてはドラム缶の外面、ドラム缶を取り除いた内張コンクリートの外面および内張コンクリートの切断面の目視検査、ならびに海中の連続写真撮影観察の結果、また、回収したM級パッケージ(セメント均一固化体)についてはドラム缶の外面、ドラム缶を取り除いた固化体の外面の目視検査の結果、それぞれの模擬廃棄物には安全上問題となる変化はないと結論した。
関 晋; 大内 康喜; 比佐 勇; 伊藤 彰彦
日本原子力学会誌, 20(12), p.887 - 896, 1978/00
被引用回数:1実大の廃棄物固化体を深度5000mの海底の水圧、温度、流速を模擬した条件でLWR模擬濃縮廃液のドラム缶づめセメント均一固化体の浸出試験を行った。その結果、次のような主要な知見が得られた。(1)アスファルトキャッピングを施した固化体については放射能の浸出は検出されず、キャッピング内部への水の浸入も認められなかった。(2)露出面を設けたBWR模擬廃液のC種高炉セメント固化体では見掛けの拡散係数はCs,Coについては各々1.610および1.210cm/day、PWR模擬廃液の普通ポルトランドセメント固化体ではCsについて1.510cm/dayであった。(3)この結果を用いて放射性核種の減衰を考慮した環境への浸出量の長期予測を試みた。